友人のお通夜

友人が亡くなったと訃報を受けた・・・信じられなかった・・・
2週間前、花の咲いていない桜の木の下でお会いしたばかりだった・・・。
今年のSF大会も色々とやるから楽しみにしていてください、と言われたばかり。
お亡くなりになられる要因は何一つ思いつかなかった。
故人とは数年前にSF大会で知り合った。全国をSFファンダム活動のために駆けずり回って、人の為に動いていらした。
彼から見れば子供のように年の離れた、若輩者の私にも良くお声をかけてくださり、いつも腰を低くして自分の青臭い話に耳を傾けてくださった。
人の話を聞くだけではなく、ご自身の意見も丁寧に優しく語られ、興が乗ってくるとその知識の深さをイヤミなく披露してくださり、いつも楽しい時間を過ごさせていただいた。
いつも忙しくて、イベントに参加されるときも時間をぬって、そのわずかばかりの時間を色々な人と話をし、そしてみんなが楽しむために最大限に努力されていた方だった。
最後まで雑談の輪に残れないことも多く、お別れの時にはいつも「閣下、お先に失礼します。」と丁寧に仰っていた。
私が悪の秘密結社総統であることをまじめに取り扱ってくださった、遊びのわかる方だった。
誰もが、その早すぎる死に悲しみの声を漏らした。
お通夜で最後にお会いした故人の寝顔は2週間前にお会いしたとき、そのままに見えた。
まるで、「閣下、お先に失礼します。」と仰っているようだった。弔問に訪れた一人一人に「お先に失礼します。」と仰っていたのかもしれない。